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4社4様の宇宙通信戦略

 今回、KDDIがスペースXとの提携を発表したことで、国内通信4社の宇宙通信戦略の違いも見えてきた。

KDDIソフトバンク楽天グループNTTグループ
提携先米Space X(Starlink)HAPSモバイル(子会社)英OneWeb米Skylo Technologies米AST & ScienceスカパーJSATホールディングス
電波の発信元低軌道衛星(高度約560km)無人航空機(高度約20km)低軌道衛星(高度約1200km)静止軌道衛星(高度約3万6000km)低軌道衛星(高度約730km)低軌道衛星や静止軌道衛星、HAPSなど
目的au基地局のバックホール回線(専用端末)スマホ向けモバイル通信など船舶向けブロードバンド通信など(専用端末)IoT向けデータ収集など(専用端末)スマホ向けモバイル通信など宇宙データセンター事業など
概要21年からベータ試験開始23〜25年にベータ試験開始。26年にプレ商用予定21年末から一部地域でサービス開始予定22年中にも国内でサービス開始予定22年末から赤道付近でサービス開始予定26年から宇宙データセンター事業を開始予定

 ソフトバンクは「三種の神器」と同社が呼ぶ、3種類の非地上系(Non-Terrestrial Network)を活用して、地上局ではカバーできないエリアに対してサービスを提供する計画だ。スペースXと同じ低軌道を利用した通信サービスでは、英OneWeb(ワンウェブ)と提携。スペースXよりも若干高い、高度約1200kmに約2000基の人工衛星を周回させ、船舶向けなどを対象にブロードバンド通信の提供を狙う。このほか子会社を通じて、高度約20kmの成層圏に無人航空機を飛ばし、空から携帯電話のエリアをつくるHAPS(成層圏通信プラットフォーム)の実証実験にも成功している。

 楽天グループは、米国の新興衛星通信事業者AST & Science(AST)と提携。高度約730kmの低軌道衛星を使って、スマートフォンなど一般的な端末に直接通信サービスを提供することを狙う。

 NTTグループはスカパーJSATホールディングスと組む。低軌道衛星から静止軌道衛星、HAPSなども活用し、「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」の構築を計画する。通信サービスだけでなく、人工衛星上に「宇宙データセンター」構築を目指している点も特徴だ。