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 ソニーグループは2021年9月15日にESG(環境・社会・企業統治)説明会を実施し、持続可能な社会実現に向けた取り組みを発表した。同説明会では、同社代表執行役会長兼社長CEO(最高経営責任者)の吉田憲一郎氏も登壇(図1)。ソニーグループが企業活動を営めるのも「持続可能な社会、健全な地球環境があってこそ。その考えを18年から『地球の中のソニー』と表現してきた」(同氏)とし、地球や社会の課題にかかわる意義を強調した。

図1 ソニーグループ代表執行役会長兼社長CEO(最高経営責任者)の吉田憲一郎氏
図1 ソニーグループ代表執行役会長兼社長CEO(最高経営責任者)の吉田憲一郎氏
(出所:ソニーグループ)
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 吉田氏はESG活動を進めていく上で、「責任と貢献という2つのアプローチがある」という考えを示す。つまり地球環境や社会の課題などを事業横断で取り組む企業としての「責任」を負い、事業や技術を通じた付加価値で社会や地球に「貢献」していくことを目指すというわけだ。

 「貢献」の一例として触れたのが、20年5月に発表したAI(人工知能)機能を搭載したイメージセンサー「IMX500」だ(図2)。ロジック回路部にISP(Image Signal Processor)の他、推論処理を実行するソニー独自の演算回路(DSP)や、推論モデルや重み付けのパラメーターなどを格納するSRAMを備える。

図2 イメージセンサー「IMX500」
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図2 イメージセンサー「IMX500」
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図2 イメージセンサー「IMX500」
(出所:ソニーグループ)

 同製品はエッジデバイス向け。エッジ側からクラウド側にデータを送信する際、搭載するAIの処理によってデータ量を削減できる(図3)。「IoT(Internet of Things)の普及で、クラウド側でデータ処理するのが一般的になっている。一方で、送受信するデータ量が爆発的に増加し、消費電力が急増している。二酸化炭素の排出量増加に影響を与えてしまっている」(ソニーセミコンダクタソリューションズシステムソリューション事業部副事業部長の柳沢英太氏)。そこでIMX500でデータをエッジ処理し、消費電力抑制につなげていきたいという。

図3 電力消費の利点
図3 電力消費の利点
(出所:ソニーグループ)
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