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 従来のCIMで利用する光パルスは約2000個にとどまっていたが、2つの課題を解消したことで50倍に高めた。すなわち、(1)光ファイバー共振器の長距離化、(2)測定・フィードバックシステムの改良、だ。

 まず、光ファイバー共振器を従来の5倍となる5kmに拡張した。これまでも長距離化は試みていたものの、光パルスの損失増大や不安定化などが課題となっていた。そこでNTTなどは、光伝送路の均一化で損失を軽減し、ペルチェ素子などを使った電子冷却による温度制御で不安定化を軽減したという(図4)。

図4 5kmの光ファイバーを収める装置。電子冷却により光ファイバーの温度を安定化している(出所:NTT)
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図4 5kmの光ファイバーを収める装置。電子冷却により光ファイバーの温度を安定化している(出所:NTT)

 次に、測定・フィードバックシステムを改良した。CIMは光パルスが光ファイバー上を1周するごとに位相を測定し、測定した位相を基にフィードバック用パルスを流す。そこで光パルスが1周する25μ秒の間に約10万個の要素を演算できるように高速化した。

 NTTは今後、グループ会社と共同でCIMを使った概念実証(PoC)を進め、実用化を目指す考えだ。まずは、工場機械の稼働スケジュールを決める「ジョブショップ・スケジューリング問題(JSP)」などに活用する。「2022年度をめどにビジネス化を検討する。そのために、ハードウエアの安定化やパッケージング、ソフトウエア開発を進めていきたい」とNTT 物性科学基礎研究所 量子科学イノベーション研究部 主幹研究員の本庄利守氏は意気込む。