ダイハツ工業は2021年10月1日、小型SUV(多目的スポーツ車)「ロッキー」のハイブリッド車(HEV)を、同年11月に発売すると発表した。シリーズ式ハイブリッド機構を搭載するのが最大の特長である。同ハイブリッド機構では日産自動車が「e-POWER」で先行しており、今回ダイハツが続くことになった。
新型ロッキー(以下、新型車)のシリーズ式ハイブリッド機構「e-SMART HYBRID」は、排気量1.2Lで直列3気筒の新開発ガソリンエンジンを搭載。同エンジンは発電だけに使い、モーターで走行する。エンジンで発電した電気は、後席床下付近に搭載する電池パックに蓄える(図)。
新開発のエンジンは、気筒の内径/行程比(ボア/ストローク比)の長行程化や、気筒内の高タンブル化などによって、40%の最大熱効率を実現した。効率の良い回転域で発電用エンジンを動かすことで、低燃費に寄与するという。また、低速域ではエンジンを動かさないようにしたため、夜間や早朝でも静かに走行できるという。
このほか新型車は、アクセル操作だけで加減速できる走行モード「スマートペダル」を搭載する。アクセルを戻すと、一般的なエンジンブレーキ以上の減速力を発生するため、頻繁に加減速が必要なシーン(渋滞時、カーブやアップダウンが多い道など)での運転者の操作負荷を軽減できる。
なお、ダイハツは現在、ロッキーの兄弟車である「ライズ」を、トヨタ自動車にOEM(相手先ブランドによる生産)供給している。今回の新型車に搭載するシリーズ式ハイブリッド機構は、ライズにも採用される可能性がある。