電動パーソナルモビリティーの開発を手掛けるWHILLは、3世代目となる新型機「WHILL Model F」を2021年10月19日に発表した。同年11月1日から販売を開始する。価格は26万8000円。同社初の折り畳み式を採用し、収納時のコンパクトさと軽量化を実現した。「世界で一番簡単で素早い折り畳み機構を目指した」(同社事業開発・戦略室の赤間礼氏)。
WHILLはこれまでの課題として、「大きくて保管場所に困ったり、重くて持ち運びが困難だったり、価格が高かったりといった点があった」(赤間氏)。
例えば収納性では、20年9月発表の従来機種「WHILL Model C2」ではそのまま保管するか、持ち運ぶ際などは各パーツに分解する必要があった。Model Fでは折りたたみ式に変更することで、収納や持ち運びを手軽にした。
Model Fの大きさは、折り畳み時が幅555mm×長さ465mm×高さ855mmで、展開時が555mm×935mm×802mm。Model C2は554mm×985mm×745-945mmだった。
この折り畳みと展開の操作を、簡単に素早くできる構造がModel Fの特徴だ。折り畳む際は、後部のフットペダルを踏んで押さえつつ、ロック解除ボタンを押しながらシートのフレーム後部を持ち上げれば、軽い力で折り畳める。
展開時は、フットペダルを押さえつつ、ロック解除ボタンを押しながらシートのフレームを少し上に持ち上げるとロックが外れ、そのまま開くことができる。
このほか、折り畳み式を実現するのに本体設計を見直し、モーターなどの駆動部分も新たに開発。全体の構造や部材を変更することで軽量化を実現した。重さはModel C2が約52kgなのに対し、Model Fは26.7kgと約半分にしている。また、バッテリーはModel C2と同様のものを使用しつつも、車体が軽くなったことでModel Fの走行可能距離は20kmと、Model C2の18kmよりも長くなっている。