ホンダは2021年10月28日、法人向け電動ビジネスバイクの新型車「GYRO CANOPY e:(ジャイロキャノピー イー)」を、同年10月29日に日本で発売すると発表した。大型の雨風よけスクリーンと屋根を装備した3輪(前輪1個、後輪2個)タイプの車両である。総電力量を増やした新型の交換式電池パックを搭載することで、1充電当たりの走行距離(以下、航続距離)を従来の1.2倍に伸ばしたのが特長だ(図1)。
ホンダ社長の三部敏宏氏は21年4月の就任会見で、交換式電池パックを活用した二輪車の電動化を進めると述べ、「法人向けの電動ビジネスバイクについては、21年内にGYRO CANOPY e:(以下、新型車)を投入する」としていた。当初の計画通りの投入となった。
販売価格(消費税込み)は71万5000円と高いが、東京都内に拠点を置く法人の場合、国と東京都の補助金制度を利用すれば、ガソリン車とほぼ同等の価格で購入できるという。年間販売台数は1000台を計画する。
また、ホンダモーターサイクルジャパン社長の室岡克博氏は、新型車の発売を受けて、「電動化した二輪車を普及させるのが、ホンダの責務と考えている」と言う(図2)。現在、自動変速機(AT)を搭載するビジネスバイク(原動機付き自転車一種)における電動車の販売比率は約20%だが、25年には同比率を70%超に高める計画である。