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 東芝の研究開発センターは、SiCやGaNといった新しいパワー半導体の制御に向けたICを開発した。安価な0.5μm CMOSプロセスで造るアナログ-デジタル混在(ミックストシグナル)の1チップICで、マイコンベースの従来型制御方式に比べてモーター駆動時の電力損失を25%削減できるという。今後、2025年の製品化に向けてブラッシュアップを図る。

今回開発したICの適用領域やメリット
今回開発したICの適用領域やメリット
(出所:東芝)
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 同センターによれば、SiCやGaNといった新しいパワー半導体は、IGBTやSi MOSFETなどの既存のパワー半導体に比べて、モーターの駆動回路や電力変換回路の効率化や小型化を図れる潜在力がある。ただし、既存の制御方式をそのまま新しいパワー半導体に適用すると、効率化・小型化と引き換えにノイズが発生しやすく、また短絡などの事故発生時に発熱による破壊が起こりやすいといった問題があった。一方で、こうした問題の対策に向けた部品を追加すると、効率化や小型化のメリットを享受できなくなってしまうという。

既存の制御方式ではSiCやGaNといった新しいパワー半導体のメリットを引き出せない
既存の制御方式ではSiCやGaNといった新しいパワー半導体のメリットを引き出せない
(出所:東芝)
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 既存のパワー半導体の制御では、マイコンと複数の部品からなる回路を使っていたが、今回は、CMOSのミックストシグナルの1チップICで制御回路を実現し、小型化や設計工数の低減を図った。このICの製造には0.5μmという安価なプロセスが使えるため、製品化した際には市場競争力があるという。さらに、効率化・小型化というSiC/GaNパワー半導体のメリットを生かせるように、既存の方式に比べてきめ細かな制御を可能にする2つの工夫を盛り込んだ。

開発したIC
開発したIC
0.5μmCMOSで製造したアナログ-デジタル混在(ミックストシグナル)ICで、チップ面積は3mm×6mm。(出所:東芝)
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