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状態基準保全に向ける

 新製品の名称は「miRadar CbM」である。後半のCbMはCondition-based Maintenanceの略で、新製品が狙う用途、すなわち、状態を監視しての保全(いわゆる状態基準保全)を表している。前半のmiRadarは、サクラテックのMIMO(Multi Input Multi Output)式レーダーセンサーの総称である。miRadar CbMはサクラテックの製品として市場に供給される。このミリ波レーダーベースの振動センサーは、ADI製MMIC(ADAR690x)に加えて、米Xilinx(ザイリンクス)のCPUコア内蔵FPGA「Zynq」、レンズ付きアンテナ、PMIC(電源管理IC)、ホストとの接続に使うEthernet ICなどから成る。

新製品の機能ブロック図
新製品の機能ブロック図
(出所:サクラテック)
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 MMICで補足したミリ波データを、FPGAのCPUコアでFFT(Fast Fourier Transformation)処理する。各種処理結果はEthernet経由でホストPCに送られる。PC上では既存のmiRadar製品と同じように、ユーザーがグラフィカル環境で設定や観察、解析を行える。新製品の最大検知距離は5m。測定した距離の誤差は20mm以下。測定した変位量の誤差は0.1μm以下である。視野(Field of View)角は±3度。電源はPCと接続したEthernetケーブルを使ってPoE(Power over Ethernet)で供給するため、電源専用のケーブルは要らない。

新製品の処理フロー
新製品の処理フロー
(出所:アナログ・デバイセズ)
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新製品の特徴と主な仕様
新製品の特徴と主な仕様
(出所:アナログ・デバイセズ)
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 発表会の最後には、サクラテック代表取締役の酒井文則氏が新製品のデモンストレーションを行った。同氏は新製品が10kHzを超える振動を検出できることなどを見せた。新製品の性能・機能とは直接関係ないが、半導体不足による”困った”発言が同氏からあった。「新製品に搭載されるFPGAのZynqが入手できず、新製品を量産出荷できない」(同氏)。なお、評価用は提供が可能とのことだった。

デモンストレーションの様子
デモンストレーションの様子
手前のモーターを稼働させて、新製品でその振動を捕捉。PC画面上に結果を表示した。(出所:日経クロステックが撮影)
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