シーメンスEDAジャパン(東京・品川)とアーム(横浜市)は、SoC(System on a Chip)の開発支援に向けて手を組むことを、両社が2021年11月9日に開催した共同オンライン会見で発表した。まず、日本で開発件数が多いという、IoT(Internet of Things)エッジ機器向けSoCなど、小規模なSoC開発の支援を狙う。
今回会見した2社のうち、シーメンスEDAジャパンは米Siemens Digital Industries Software(シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア、Siemens DIS)のEDA(Electronic Design Automation)部門の日本法人、アームは英Arm(アーム)の日本法人である。Siemens DISのEDA部門はSoC/IC開発向けのEDAツールを、ArmはCPUコアなどの各種IPコアをそれぞれ主力製品としている。今回SoC開発の支援に向けて、シーメンスEDAジャパンは、SoC/IC検証向け製品「Veloce proFPGA」を、アームはSoC開発フェーズに向けたIPコア利用サービス「Arm Flexible Access」を、それぞれ提供する。
シーメンスEDAジャパンが提供するVeloce proFPGAは、一般に「プロトタイピングシステム」と呼ばれるFPGAボードである。プロトタイピングシステムでは、開発対象SoCの論理をFPGAに展開・実装する。ソフトウエアの論理シミュレーターに比べて短時間に開発対象の論理を検証できたり、SoCで稼働するソフトウエアを開発早期にチェックできることが、プロトタイピングシステムの特徴である。Siemens DISはVeloce proFPGAを21年3月に提供を開始している*1。
関連記事 *1 AMDがサーバーMPU開発に活用、SiemensがSoC検証装置を拡充