オランダNXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)は、新世代アプリケーションプロセッサーIC「i.MX 9シリーズ」の第1弾製品「i.MX 93ファミリ」を2021年11月9日(現地時間)に発表した ニュースリリース 。新製品は車載や産業、IoT分野のエッジで使う機器への搭載を狙う。台湾TSMC(台湾積体電路製造)の16nmプロセスで製造する。22年下期にサンプル出荷の予定。
同社は「i.MX 9シリーズ」の概要・特徴を21年3月に発表している。例えば、独自セキュリティー回路「EdgeLockセキュア・エンクレーブ」を集積し、ユーザーのセキュリティー機能の開発を容易にする。「Energy Flex」と呼ぶチップアーキテクチャーを採り、低消費電力化を図る。さらに、英ArmのNPU(Neural Processing Unit)である「Ethos-U65」を集積し、推論処理の高速化や効率化を狙う。
新製品に集積されたEdgeLockセキュア・エンクレーブは、暗号化に加えて、ルート・オブ・トラストやランタイム証明、トラストプロビジョニング、セキュアーブート、暗号鍵管理などといったセキュリティー処理が可能である。これらのセキュリティー処理は自律管理され、同時にセキュリティー認証のプロセスも簡素化する。このため、チップユーザー(機器開発者など)は、セキュリティー処理の詳細を気にする必要がなくなり、その分の工数をアプリケーション開発に充てられるという。