マツダは2021年11月16日、北米向け新型SUV(多目的スポーツ車)「CX-50」を世界初公開した。同社のFF(前部エンジン・前輪駆動)車向けプラットフォーム(PF)「スモール」を適用した車両で、同社が米国で生産する初めての車種になる。生産は22年1月に開始する。日本への投入は予定していないという(図1、2)。
マツダは現在、車載半導体や東南アジアから調達する部品(半導体を搭載する部品を含む)の不足によって生産に制約が出ており、21年度通期(21年4月~22年3月)の減産台数は約20万台になる見通しである。ただ、CX-50(以下、新型車)については、「現時点で生産計画に変更はない」(同社)という。
新型車は、マツダとトヨタ自動車が共同で建設した米国アラバマ州の新工場「Mazda Toyota Manufacturing, U.S.A., Inc.(MTMUS)」で生産する。同工場の年産能力は30万台で、その半分(15万台)がマツダの年産能力分となる。同社は「地産地消の方針の下で、新型車を新工場で年間15万台生産できるように努める」と言う。今回の新型車は、新工場を安定操業させるためにも重要な車種になる(図3)。