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 アナログ・デバイセズ(米Analog Devices, Inc.(ADI)の日本法人)とマクニカ(横浜市)は、「第7回鉄道技術展」(2021年11月24~26日、幕張メッセ)にブースを構え、ADIの半導体製品をベースにした鉄道向けアプリケーションを展示した。展示されたアプリケーションの狙いは主に2つに分けられる。1つは列車の自動運転/無人運転の支援。もう1つは保守や点検の負荷低減である。

 ブースで説明に当たった、アナログ・デバイセズの高松 創氏(リージョナルマーケティング プラットフォームプログラムマネージャー)によれば、日本の鉄道会社では人手不足が顕在化しており、有人運転から自動運転/無人運転への移行、保守や点検の負荷低減への関心が高まっているという。今回、列車の自動運転/無人運転へ応用することを狙って、クルマのADAS(先進運転支援システム)/自動運転向け技術のシステムを2つ展示した。1つはLiDARを利用したもの。もう1つはレーダーを利用したものである。

 前者のシステムは「LiDAR Sensor Fusion Solution」と呼んでいた。100m程度までの物体/人を検知・認識し、そこまでの距離を測れる。ADIのLiDAR評価ボード「AD-FMCLIDAR1-EBZ」と、台湾IEI Integrationの推論/ビジョン処理アクセラレーターモジュール「Mustang-M2BM-MX2」、米IntelのFPGA評価ボードなどからなる。LiDAR評価ボードでは検知と測距が可能。Mustang-M2BM-MX2にはIntelのVPU(Vision Processing Unit)「Movidius Myriad X MA2485」が搭載されており、推論によって物体の認識ができる。FPGA評価ボードにはArmコア内蔵FPGA「Arria 10 SoC FPGA」が搭載されており、システム全体の制御を行う。

「LiDAR Sensor Fusion Solution」のデモンストレーションコーナー
「LiDAR Sensor Fusion Solution」のデモンストレーションコーナー
(出所:日経クロステックが撮影)
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「LiDAR Sensor Fusion Solution」の構成
「LiDAR Sensor Fusion Solution」の構成
(出所:マクニカ)
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