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 米Qualcomm Technologies(クアルコムテクノロジーズ)は2021年11月30日(米国時間)、同社イベント「Snapdragon Tech Summit 2021」で、プロセッサーなどで構成するモバイル向けの新しいプラットフォーム「Snapdragon 8 Gen 1」を発表した。ハイエンド品に向けた製品で、ダウンロード速度が10Gビット/秒(bps)という高速通信に対応する点など、「業界初」とする機能を複数備える。いずれも現在のモバイル製品の流行を捉えた機能ばかりである。21年中に同プラットフォームを採用したモバイル製品が登場する見込みだ。

「Snapdragon 8 Gen 1」
「Snapdragon 8 Gen 1」
(出所:クアルコム)
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 これまで同社は、モバイル向けSnapdragon製品に対して、「888」といった3桁の番号などを付与していた。今回から、1桁のシリーズ番号と世代を示す数字の組み合わせに移行する。この新体系の最初の製品がSnapdragon 8 Gen 1である。8シリーズがモバイルプラットフォームの最上位クラスとなる。

 今回の新製品の特徴をまとめると大きく6つある。第1に、高速な無線通信である。5G(第5世代移動通信システム)向けでは「Snapdragon X65 5G Modem-RF System」を採用することで、10Gbpsのダウンロード速度に達するという。この速度は業界最高とする。

 高速な無線LAN(Wi-Fi)機能も搭載した。「Qualcomm FastConnect 6900 Mobile Connectivity System」をサポートし、Wi-Fi 6とWi-Fi 6Eに対応する。データ速度は最大3.6Gbpsと高い。

 第2にカメラ機能の拡充である。18ビット対応の画像処理回路(ISP:Image Signal Processor)を搭載。このビット数は、モバイル向け商用ISPとして初の数値だとする。加えて、8KのHDR動画の撮影も可能。これも業界初の対応だとする。背景をぼかしたポートレートのような動画を撮影できる機能「Bokeh(ボケ) Engine」も搭載する。さらに常時オンしている低消費電力のISPも搭載。顔認証によるロック/アンロックに利用できる。