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 ダイハツ工業は2021年12月20日、軽商用車「ハイゼット カーゴ」「アトレー」の新型車を発売した(図1)。両車両の全面改良は実に17年ぶり。同社の車両開発・生産手法「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」を初めて商用車に適用した。ハイゼット カーゴの価格は104万5000円(消費税込み)から。

 「“商用CAFE”に対応するために、全面改良が必要だった」。17年ぶりの刷新となった理由について、新型軽商用車の開発責任者を務めたダイハツ工業製品企画部エグゼクティブチーフエンジニアの松本隆之氏はこう語る。日本では22年度から小型貨物車に対する燃費規制が厳しくなる。新たに導入される「企業平均燃費(CAFE)規制」への対応として、ハイゼット カーゴなどの性能向上に踏み切った。

FR車用のCVTを新開発

図1 ダイハツ工業の軽商用車「ハイゼット カーゴ」
図1 ダイハツ工業の軽商用車「ハイゼット カーゴ」
(撮影:日経Automotive)
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 ダイハツは19年7月に発売した軽自動車「タント」から乗用車にDNGAを適用してきた。同社社長の奥平総一郎氏は新車発表会で、「タントを皮切りに、2年半で軽自動車から小型車、そして海外へとDNGAの適用を拡大してきた。今回の軽商用車で8車種まで増やせた」と手ごたえを口にした(図2)。

図2 ダイハツ社長の奥平総一郎氏
図2 ダイハツ社長の奥平総一郎氏
21年12月20日に軽商用車の新車発表会を開催した。(画像:ダイハツ工業の動画をキャプチャー)
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 今回初採用となった商用車向けDNGAの特徴は、FR(前部エンジン・後輪駆動)である点だ。DNGAに基づく乗用車はいずれもFF(前部エンジン・前輪駆動)だった。

 基本的な設計思想や構成部品などはFF車とFR車で共通だが、CVT(無段変速機)はFR車用に新規に開発した(図3)。松本氏は、「従来のFF車向けCVTでは床下に押し込むのが難しかった。FR車の狭いスペースにレイアウトできるようにした」と振り返る。同CVTは内製である。CVTの他に、5速MT(手動変速機)仕様も用意する。

図3 新開発したFR車向けのCVT
図3 新開発したFR車向けのCVT
FF車向けのCVTと部品を共通化しつつ、狭い床下に配置できるように設計した。(撮影:日経Automotive)
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