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 米Keysight Technologies(キーサイト・テクノロジーズ)は、最大512の人や物体を模擬可能な、車載レーダーの試験装置「Radar Scene Emulator(製品番号:AD1012A)」を2021年12月15日(現地時間)に発表した 日本語版ニュースリリース 。同社は今回の装置のデモンストレーションを「CES 2022」(米Las Vegas、1月5~8日)で行う。

「Radar Scene Emulator(製品番号:AD1012A)」
「Radar Scene Emulator(製品番号:AD1012A)」
レーダーDUT(中央赤枠の裏面に設置)から1m以内に64ボード×8個のアレイ状RFフロントエンドが配置されている。外部からの不要な干渉を遮断する暗室に収められているダイナミック・レーダー・スクリーンをCG(コンピューターグラフィックス)で表現した画像である。(出所:Keysight Technologies)
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 ADAS(先進運転支援システム)や自動運転で使う車載レーダーの試験装置である。装置の端に置いた試験対象(DUT:Device Under Test)のレーダーが測距用電波を発すると、装置の反対側にある反射模擬点にその測距用電波が当たる。すると、反射模擬点が疑似反射波を発する。この疑似反射波をDUTが捕捉することで、正しく測距できたかをどうかを試験できる。こうした試験装置は、同社をはじめ、複数の企業が市場で提供している。しかし、反射模擬点数が少なかった。例えば同社が20年9月に発表した「E8718A」*では3点、他社の装置では「5点の場合が多い」(日本法人のキーサイト・テクノロジー)。

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 反射模擬点が少ないと、実際の道路上における人や物体の位置や動きを高精度に模擬できない。そこでKeysightでは、反射模擬点を一気に512点に増やした。最短で1.5mの近距離の物体や人を模擬できる。これで例えば、自車(DUTが載ったクルマ)の脇をすり抜ける他車や歩行者などをうまく扱えるという。なお、近距離にある物体や人には、複数の反射点を割り当てることで、より実際に近い状態での模擬が可能になるとする。

既存の装置(左)と新製品(右)の反射模擬点のイメージ
既存の装置(左)と新製品(右)の反射模擬点のイメージ
既存の装置では3~5点が一般的だった。新製品では512点に一挙に増やした。(出所:Keysight Technologies)
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新製品(上)と既存の装置(下)で模擬(エミュレート)されるシーンのイメージ
新製品(上)と既存の装置(下)で模擬(エミュレート)されるシーンのイメージ
新製品では多数の物体や人が模擬できる。既存の装置では数個にとどまる。(出所:Keysight Technologiesの新製品紹介ビデオからキャプチャー)
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