「従来工法と比較すると、コストを50%ほど抑えられる。顧客への販売量などに応じ、遠赤外レンズであるカルコゲナイドレンズの価格も、最大で50%安くなる可能性がある」――。このように力を込めるのは、パナソニックテクノロジー本部デジタル・AI技術センターオプト・メカトロソリューション部の橋本昌樹氏だ(図1、2)。
パナソニックは2022年1月27日、新たな遠赤外非球面レンズの量産技術を開発したと発表した。もろく欠けやすい遠赤外レンズの素材であるカルコゲナイド材料を、フレームと一体で量産することで、歩留まりを上げることに成功した。
カルコゲナイドレンズは遠赤外レンズに利用され、8000~14000nmの波長帯を捉えるセンサーなどと一緒に用いる(図3)。熱を可視化でき、温度情報や人流情報などの取得に使われている。具体例でいうと「スマートビルディングでのエネルギーマネジメントなどで利用できる」(同氏)。