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 ルネサス エレクトロニクスは2021年通年(1~12月)および21年第4四半期(10~12月)の決算を22年2月9日に発表した 決算短信 プレゼンテーション資料 。21年通年の売上高(売上収益)は前年比38.9%増と大きく伸び、世界半導体市場の21年の前年比成長率25.1% 米Gartnerによる分析 を大幅に上回った。電動化やADAS(先進運転支援システム)が自動車向け事業の売り上げを、英Dialog Semiconductor(ダイアログ セミコンダクター)の買収が産業・インフラ・IoT向け事業の売り上げをそれぞれけん引し、高い伸び率を達成した。21年通年のルネサスの売上高は1兆円にわずかに届かない9944億円、営業利益は前年比115.6%増の2966億円(Non GAAP)/前年比181.8%増の1836億円(GAAP/IFRS)であり、売り上げだけでなく、利益も大幅増だった。

21年通年および第4四半期の決算概要(Non-GAAPベース)
21年通年および第4四半期の決算概要(Non-GAAPベース)
(出所:ルネサス エレクロニクス)
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21年通年および第4四半期の決算概要(GAAPベース)
21年通年および第4四半期の決算概要(GAAPベース)
(出所:ルネサス エレクロニクス)
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21年通年および第4四半期の決算概要(Non-GAAPベースでDialog Semiconductor分を除いた場合)
21年通年および第4四半期の決算概要(Non-GAAPベースでDialog Semiconductor分を除いた場合)
(出所:ルネサス エレクロニクス)
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 2月9日にオンラインで開催した報道機関/アナリスト向け説明会では、車載向け事業に対する質問が多かった。例えば、車載向け事業の売上高の伸び率に関する質問だ。21年のクルマの生産台数の伸び率は3%程度であり(ルネサスもこの数字には納得している模様)、ルネサスの車載向け事業売上高の伸び率である35.6%との乖離(かいり)が大きく、理由を知りたいというものだ。

事業セグメント別の20年通年および21年通年の売上高(売上収益)と売上総利益
事業セグメント別の20年通年および21年通年の売上高(売上収益)と売上総利益
(出所:ルネサス エレクロニクス)
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事業セグメント別の四半期売上高(売上収益)の推移
事業セグメント別の四半期売上高(売上収益)の推移
(出所:ルネサス エレクロニクス)
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 ルネサスの片岡 健氏(執行役員 兼 オートモーティブソリューション事業本部長)は以下のように答えた。21年の車載部品の伸び率は8~15%、さらに大きく20%という報告がある。こうした数字の背景には、クルマ1台に対して使われる半導体部品が増えていることを挙げられる。最近では高級車だけでなく、エントリーレベルのクルマでもADAS装備が増えており、1台当たりの半導体部品を押し上げる。さらに電動化シフトも、車載半導体の増加方向に働く。そして半導体不足の中で、優先して生産するクルマを選択する必要が出ていて、結果として半導体部品の使用が多い高級車が選択されているため、これも車載部品の伸び率の増加に働く。

 こうした実需要の伸びに加えて、需要サイドでの在庫の積み増しがあり、車載半導体の売り上げを押し上げた。半導体不足でクルマが生産できない状況が再来しないように、自動車メーカーもTier 1も在庫を増やしている。