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 独Infineon Technologies(インフィニオン テクノロジーズ)は、新世代のTPM(Trusted Platform Module) IC「OPTIGA TPM SLB 9672」を発表した ニュースリリース 。インフィニオン テクノロジーズ ジャパンによれば、新製品は従来に比べて強力な暗号化が可能で、2035年ごろに登場するであろう量子コンピューターを使っても、暗号が破られる可能性が低いとする。新製品はPCなど主に民生機器に向ける。

今回の新製品「OPTIGA TPM SLB 9672」
今回の新製品「OPTIGA TPM SLB 9672」
5mm×5mmの32ピンUQFNパッケージに封止する。ホストとのインターフェースはSPIである。(出所:Infineon Technologies)
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 インフィニオン テクノロジーズ ジャパンによれば、10~20年後に登場するであろう量子コンピューターを使うと、非対称暗号はShor(ショア)のアルゴリズムによって破られてしまう。また、非対称暗号はGrover(グローバー)のアルゴリズムによってセキュリティーレベルが半減するという。そこで、新製品では、従来よりも長い鍵長の暗号を扱えるようにするなど、暗号化の強化を図った。例えば、256ビットのAES、256/384ビットのSHA-2などを扱える。

量子コンピューターの登場で暗号破りの危機
量子コンピューターの登場で暗号破りの危機
(出所:Infineon Technologies)
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 新製品はTCG(Trusted Computing Group)の TPM 2.0 revision 1.59をはじめ、Common CriteriaやFIPS(Federal Information Processing Standards)、NIST(National Institute of Standards and Technology)などのセキュリティー機関の要求仕様や規格を満たすという。また、23年4月に適用されるWindowsのセキュリティー要件に対応する。

「OPTIGA TPM SLB 9672」の主な仕様
「OPTIGA TPM SLB 9672」の主な仕様
(出所:Infineon Technologies)
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