台湾MediaTek(メディアテック)は、5Gスマートフォン向けSoC「Dimensity」の新製品3つを、2022年3月1日(現地時間)に発表した ニュースリリース 。3つのうち2製品、「Dimensity 8100」と「Dimensity 8000」は台湾TSMC(台湾積体電路製造)のN5プロセスで製造する。残り1製品はTSMCのN6で製造する「Dimensity 1300」である。これら3つの新製品を搭載したスマートフォンは22年第1四半期中に市場へ出荷されるという。
「Dimensity 8100」と「Dimensity 8000」はどちらもプレミアムスマートフォン向けで、集積する回路は基本的に同じだが、Dimensity 8100の方がDimensity 8000より高速に稼働する回路が複数ある。例えば、どちらもCPUは8コア構成であり、うち4個がArm Cortex-A78、残り4個はArm Cortex-A55と同じ。ただし、Cortex-A78の最大動作周波数が異なり、Dimensity 8100は2.85GHzだが、Dimensity 8000は2.75GHzである。なお、Cortex-A55の最大動作周波数はどちらの製品でも2GHz。
また、GPUコアはどちらも「Arm Mali-G610 MC6」を集積しているが、Dimensity 8100ではゲーム時にターボ動作が可能で、動作周波数を20%高められるという。どちらの製品もMiraVision 780技術を備えておりFull HD+解像度で168Hzのリフレッシュレートでディスプレーに出力できるが、Dimensity 8100ではさらにWQHD+解像度で120Hzの出力も可能である。推論アクセラレーターはどちらの製品も独自の「APU 580」を集積しているが、その速度はDimensity 8100が既存製品の2.75倍に対して、Dimensity 8000は既存製品の2.5倍とする。
どちらの製品も、以上のほかに、ISP(Image Signal Processor)コアとして独自の「Imagiq 780」を集積し、最大200M画素のカメラに対応できる。集積したモデムは3GPP Release-16に対応し、2波キャリアアグリゲーション(CA、バンド幅200MHz)利用時に最大4.7Gビット/秒のダウンロード速度が得られる。このモデムはデュアル5G SAおよびデュアルVoNR(Voice over New Radio)対応である。LPDDR5-6400のDRAMチャネルを4つ備える。また、2×2MIMOのWi-Fi 6EとBluetooth 5.3の無線通信が可能である。