英Graphcore(グラフコア)は、DNN(Deep Neural Network)処理に向けた同社独自プロセッサー「IPU(Intelligence Processing Unit)」の第3世代IC「Bow IPU」を2022年3月3日(現地時間)に発表した 公式ブログの抄訳 。3月17日(日本時間)に開いた日本の報道機関向けオンライン会見に登壇した日本法人 グラフコア・ジャパン代表取締役社長の中野 守氏によれば、Bow IPUは第2世代のIC「Colossus Mk2 GC200(以下、GC200)」*1を3次元化することで性能向上を図ったものである。「GC200とほとんど同じ製造コストで処理性能を40%向上させることに成功した」(同氏)。
関連記事 *1 深層学習の高速化でハイエンドGPUに挑む、英Graphcore社の独自アクセラレータを解剖GraphcoreのIPUはMIMD(Multiple Instruction Multiple Data)型の並列処理プロセッサーである。「汎用的なMIMDプロセッサーの実現は難しいが、IPUはDNN処理に特化したことで実用化できた」(中野氏)。各プロセッサーエレメント(IPUコアタイル)にDNN処理に十分な容量のSRAMを持たせており、メモリーを高速アクセスできるため、レイテンシーと消費電力が共に小さいという。「いわゆる、メモリー・イン・プロセッサーである」(同氏)。同氏によれば、IPU ICのチップ面積の75%はメモリーで、演算回路は25%にとどまる。