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一部の機能をクラウド対応に、タブレット端末からアクセス

 オムニバースの中核は、データベース(DB)サーバー「Nucleus(ヌクレウス)」で、各ツールで制作された3Dデータを「USD(Universal Scene Description)」形式に変換して保管する。ただし、オムニバースを利用するには、Nucleusをホストとし、NVIDIAのレイトレーシング技術「RTX」に対応したGPUを搭載したパソコンなどの対応ハードウエアが必要だった。

 今回、オムニバースのエコシステム拡大に向けて、一部の機能の実行をクラウドに対応させた。「Omniverse Cloud」と呼び、現在早期アクセス版の申し込みを受け付け中である。この機能により、さまざまなパソコンやタブレット端末を通じて、オムニバースにアクセスできる。現時点で対応しているのは、エヌビディアが用意した閲覧アプリ「View」と、3D CG制作アプリの「Create」である。利用しているのは、エヌビディアのクラウド型のゲーム配信サービス「GeForce Now」のインフラだ。GeForce Nowのクラウド側でレンダリングやシミュレーションなどを実行し、端末にストリーミングで配信する。例えば1人のデザイナーがRTX搭載のワークステーションでViewを実行し、ノートパソコンのユーザーとタブレット端末のユーザーに対して、Viewの映像をGeForce Nowから配信する。

「Omniverse Cloud」の利用シーンの例
「Omniverse Cloud」の利用シーンの例
タブレット端末やパソコンなどを通じてオムニバース上で作成した3D CGを閲覧できる。(出所:エヌビディア)
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 オムニバースでは、「Connect」(コネクト)あるいは「Connector」(コネクター)と呼ぶインターフェース機能を通じてサードパーティー製のツールを利用できる。今回のGTCで、コネクターの数が80を超えたことを明らかにした。例えば、米Epic Games(エピックゲームズ)の「Unreal Engine」や、ドイツMaxon Computerの「Cinema 4D」が新たに対応するなど、コネクターの数が82に達したことを明らかにした。21年5月時点では、コネクター数はおよそ10だった。

 オムニバースでは、USDフォーマットでデータを扱う。現在、26種類の一般的なCADフォーマットをUSDに変換して利用できるという。3Dアセットのライブラリも拡充。既に100万種類ほどのアセットを有すると説明する。

 こうした利用者拡大策や機能拡張などを実施しつつ、「産業用デジタルツインには新タイプの専用コンピューターが必要」(エヌビディア 創業者 兼 CEOのJensen Huang(ジェンスン・ファン氏))とし、新しいサーバー「NVIDIA OVX」を発表した。8基のGPU「NVIDIA A40」や3基の200Gビット/秒のNIC、1Tバイトのシステムメモリー、16TバイトのNVMeストレージなどで構成する。加えて、複数のOVXサーバーで構成したクラスターも用意した。8~16個のOVXサーバーで構成した「NVIDIA OVX POD」や、32個のOVXサーバーで構成した「NVIDIA OVX SuperPOD」がある。

NVIDIA OVXを発表した
NVIDIA OVXを発表した
(出所:エヌビディア)
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