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 米Intel(インテル)は、XeアーキテクチャーのノートPC向け単体GPU(Graphics Processing Unit)の第2弾製品「Arc A-シリーズ ディスクリート グラフィックス ファミリー フォー モバイル」(以下、Arc A-シリーズ モバイル)を2022年3月30日(現地時間)に発表した 公式ブログの抄訳 。同社はXeアーキテクチャーのノートPC向け単体GPUの第1弾製品「Intel Iris Xe MAXグラフィックス」(以下、Iris Xe MAX)を20年10月に発表している*1。第1弾は「Xe-LP」と呼ぶ低消費電力志向のマイクロアーキテクチャーを採っていた。第2弾はそれよりも性能重視のマイクロアーキテクチャー「Xe-HPG(High Performance Graphics)」を採り、ゲームやコンテンツクリエーションに向ける。アプリケーションによって変わるが、Arc A-シリーズ モバイルは処理性能がIris Xe MAXに比べて1.5~2倍に上がるようだ。

*1 関連記事 Intelが単体GPUに22年ぶり再挑戦、第1弾はモバイルPC向け
IntelのGPU(Graphics Processing Unit)の歩み
IntelのGPU(Graphics Processing Unit)の歩み
x軸上で左2つのGen 9とGen 11はMPU(マイクロプロセッサー)に内蔵されたGPUコア「Iris Graphics」である。Xe-LPはXeアーキテクチャーのノートPC向け単体GPUの第1弾製品「Intel Iris Xe MAXグラフィックス」。右端のXe-HPGが今回の新製品の「Arc A-シリーズ ディスクリート グラフィックス ファミリー フォー モバイル」である。性能が異なる3つのランク、Arc 3/5/7の製品を用意する。(出所:Intel)
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 同社はXe-HPGマイクロアーキテクチャーを採る単体GPUに向けたブランドとして「Intel Arc」を21年8月に発表した。今回のArc A-シリーズ モバイルは同ブランドの最初の製品で、開発コード名は「Alchemist」(以前の開発コード名はDG2)である。台湾積体電路製造(TSMC)の「N6」プロセスで製造する。なお、Arc A-シリーズにはデスクトップPC向け製品やワークステーション向け製品も予定されており、22年2月に開催された投資家向け会議「Investor Meeting 2022」では、デスクトップPC向けは同年第2四半期に、ワークステーション向けは同年第3四半期に出荷開始としていた*2

*2 関連記事 『一人負けIntelが狙う4年後2桁成長 PC伸びず、メタバースに張る』の3ページ目

 出荷が始まったArc A-シリーズ モバイルには、PC向けMPU(マイクロプロセッサー)の「Core i3/i5/i7」と同じように、性能が低い方から高い方に向けて「Arc 3/5/7」というランク名が付いている。今回、Arc 3で2モデル、Arc 5で1モデル、Arc 7で2モデル、計5モデルが発表された。Arc 3の2モデル(A350MとA370M)は発表と同じ日(3月30日)に出荷が始まった。Arc 5の1モデル(A550M)とArc 7の2モデル(A730MとA770M)は22年初夏に出荷の予定である。

今回発表された新製品には5つのモデルがある
今回発表された新製品には5つのモデルがある
(出所:Intel)
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 Intelは今回、Arc A-シリーズ モバイルに搭載されるGPU本体のSoC(開発コード名はAlchemist)を2つ発表した。1つが「ACM-G10」でXeコア(従来、実行ユニット(EU)と呼んでいた回路ブロック)数が32と大規模なチップ。もう1つが「ACM-G11」でXeコア数が8と小規模なチップである。今回発表されたArc A-シリーズ モバイルの5モデルのうち、Arc 3とArc 5の3モデルはACM-G11を、Arc 7の2モデルはACM-G10を搭載していると思われる。

5つのモデル向けに2つのGPU本体(SoC)を開発した
5つのモデル向けに2つのGPU本体(SoC)を開発した
(出所:Intel)
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