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 東芝デバイス&ストレージは、2023年にGaNデバイス市場へ参入の予定である。同市場での差異化に向けた新たな回路技術を同社が開発した ニュースリリース 。この回路技術を使うことでGaNトランジスタベースの電源回路に必要な部品点数を減らせるため、SiCデバイスに比べて電源を小型化できるというGaNデバイスの特徴を際立たせることができるとする。

2023年にノーマリーオン型でGaNデバイス市場に参入
2023年にノーマリーオン型でGaNデバイス市場に参入
(出所:東芝デバイス&ストレージ)
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 実用化で先行したSiCデバイスに続き、パワー半導体メーカー各社がGaNデバイスの開発に取り組んでいる。GaNデバイスはSiCデバイスに比べてスイッチング周波数を高くすることができ、電源回路を小型化できるなどの利点がある。市場にはGaNデバイスをすでに投入済みのメーカーが複数あり、今後も参入メーカーは増えることが予想される。

高周波数スイッチングに向くGaNデバイス
高周波数スイッチングに向くGaNデバイス
(出所:東芝デバイス&ストレージ)
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 東芝デバイス&ストレージは、現在販売中のSiCデバイスに加えて23年にノーマリーオン型のGaNデバイスの発売を予定している。競合の多い市場での差異化に向けて、同社は新たな回路技術を開発した。今回開発したのは、電力変換器(DC-DCコンバーターやAC-DCインバーターなど)やモータードライバーなどで使うハーフブリッジ(トランジスタ(スイッチ)2個を直列接続した回路)の出力電流を計測するための回路である。

 従来は、シャント抵抗と呼ばれる抵抗器を外付けして電流を測定していた。今回、GaNトランジスタにカスコード接続した低耐圧MOSFET(シャントMOSFET)のオン抵抗を使って電流を検出する回路を開発した。低耐圧MOSFETはGaNトランジスタと同じパッケージに収めることが可能なため、電力変換器やモータードライバー回路全体を小型化できる。従来4個の部品(パッケージ)が必要だった回路(ハーフブリッジと電流検出回路)を、開発した技術によって2個に減らせる。

開発した電流検出技術で部品(パッケージ)数を削減
開発した電流検出技術で部品(パッケージ)数を削減
(出所:東芝デバイス&ストレージ)
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