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 米Keysight Technologies(キーサイト・テクノロジーズ)は、最大で110GHzと高い周波数の信号を発生できるベクトル信号発生器「M9484C VXG」(図1、図2)を2022年4月26日(米国時間)に発表した ニュースリリース 。変調帯域は最大5GHzと広い。ミリ波5G向け各種機器の試験や6Gの研究のほか、衛星通信やレーダーアプリケーションなどに向ける。

図1 新製品のベクトル信号発生器「M9484C VXG」
図1 新製品のベクトル信号発生器「M9484C VXG」
(出所:Keysight Technologies)
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図2 M9484C VXGの特徴
図2 M9484C VXGの特徴
(出所:Keysight Technologies)
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 新製品は同社が19年2月に発表したベクトル信号発生器「M9384B VXG」(以下、既存品)の上位機種に当たる*1。既存品は発生できる信号周波数は最大44GHzだった。それに対して新製品は最大で54GHzと、10GHz高い信号を発生できる。さらに、ベクトル信号発生器周波数エクステンダー「V3080A」(図3)と組み合わせることで、発生できる信号周波数を最大110GHzに引き上げられる。新製品では変調帯域も広がった。既存品では最大2GHzだったが、新製品では最大2.5GHzに拡大した。さらに出力チャネルを2つ統合(チャネルボンディング)することで、変調帯域を最大5GHzに広げられる(図4)。なお、周波数エクステンダー「V3080A」を使った場合は、変調帯域は最大2.5GHzにとどまる。

*1 関連記事 5GのMIMOやアレーアンテナ試験が容易に、米キーサイトが2出力の44GHz信号発生器
図3 ベクトル信号発生器周波数エクステンダー「V3080A」(右下で青矢印の先)
図3 ベクトル信号発生器周波数エクステンダー「V3080A」(右下で青矢印の先)
発生する信号周波数を最大110GHzに引き上げる。(出所:Keysight Technologies)
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図4 チャネルボンディング
図4 チャネルボンディング
2つのチャネルを統合して、変調帯域幅を最大5GHzに広げる。(出所:Keysight Technologies)
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 新製品はさまざまな構成が取れる。例えば出力チャネル数は、筐体(きょう体、シャシー)当たり、1/2/4から選べる(図5)。1チャネルや2チャネルを選んだ場合は、最大54GHz(V3080Aなし)/110GHz(V3080A付き)の信号を出力できる。一方、4チャネルを選ぶと発生できる信号の最大周波数は20GHzにとどまる。複数のシャシーを接続することで、任意のチャネル数の信号発生器を構成でき、MIMO(Multi Input Multi Output)通信やビームフォーミングといった複数アンテナを使うケースの計測/試験に役立つとする。

図5 1つのシャシーで1/2/4チャネル出力が選べる
図5 1つのシャシーで1/2/4チャネル出力が選べる
複数のシャシーを接続することで多チャネル構成が可能。(出所:Keysight Technologies)
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