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 オランダNXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)の日本法人であるNXPジャパンは2022年6月23日、リアルタイム処理が求められる複数のECU(電子制御ユニット)を1つに統合できる車載プロセッサー「S32Z/E」シリーズを発表した。すでにサンプル出荷を始めているという。

NXPジャパン オートモーティブ マーケティング本部 車載マイクロコントローラ部 部長の山本尚氏
NXPジャパン オートモーティブ マーケティング本部 車載マイクロコントローラ部 部長の山本尚氏
(写真:日経Automotive)
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 次世代のソフトウエア定義車両(Software-Defined Vehicle、SDV)ではECUの統合化が進む。その形態は、機能ごとにECUを統合する「ドメイン型」と、配置場所ごとにECUを集約する「ゾーン型」があるが、「多くの自動車メーカーはそれらを組み合わせる方向だ」(NXPジャパン オートモーティブ マーケティング本部 車載マイクロコントローラ部 部長の山本尚氏)という。

ドメイン型とゾーン型
ドメイン型とゾーン型
(出所:NXPセミコンダクターズ)
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 このため、NXPセミコンダクターズはドメイン型とゾーン型の両方に対応できる車載プロセッサーの開発に力を入れている。具体的には、(1)車両制御、(2)車載ネットワーク、(3)ボディー/内装、(4)ADAS(先進運転支援システム)/自動運転、(5)インフォテインメントの5つのドメインを想定して製品を開発しているが、異なるドメイン(クロスドメイン)の機能も部分的に担えるようにしている。

 今回の車載プロセッサーは、(1)の「車両制御」のドメインに属する製品であり、基本的にはパワートレーンやシャシーの制御を主な用途とするが、ネットワーク処理やDSP/機械学習などの機能も備えており、幅広い用途に使える。

「S32Z/E」は車両制御に属するが…
「S32Z/E」は車両制御に属するが…
(出所:NXPセミコンダクターズ)
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 例えば、電動車のインバーター、電池管理システム(BMS)、DC-DC変換器、車載充電器、パワートレーン制御の各ECUと、これらを管理するドメインECUの計6個を、今回の車載プロセッサーで1つのECUに統合できるという。

6つのECUを1つに統合
6つのECUを1つに統合
(出所:NXPセミコンダクターズ)
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 チップには、リアルタイム処理を担う英Arm(アーム)のCPUコア「Cortex-R52」を8個搭載する。16nm世代の半導体プロセスで製造し、Cortex-R52の動作周波数は600M~1GHzとする。