全1901文字
PR

レイトレーシング向け回路を内蔵

 新ブランドImmortalisのGPUコアは、これまでのMaliブランドのGPUコア(以下、Mali-G)とは一線を画するという。PC向けの人気ゲーム(いわゆるAAA(トリプルエー)のゲーム)がスマートフォンで楽しめるようになってきていることや、メタバース向けVRグラスの普及が始まっていることが、Immortalis開発の背景にある。

 例えば、画像のリアリティー感を演出するために、ImmortalisはMali-Gにはなかったレイトレーシング処理向けの回路(ハードウエア)を含む(図3)。また、処理性能を上げるために、内部のコア数も増やす。Mali-Gでは内部コアは10個程度までが一般的だったが、Immortalisでは10個以上、20個、30個もあり得るとのことだった。Immortalisの第1弾のImmortalis-G715は、Mali-Gのハイエンド品に比べてグラフィックス処理性能は15%、電力効率も15%向上するという。また、AI処理性能は2倍になったとする。

図3 今回発表された3つのGPUコア製品の概要
図3 今回発表された3つのGPUコア製品の概要
(出所:Arm)
[画像のクリックで拡大表示]

 Mali-Gのラインは今後も継続し、新製品が開発・提供される。Immortalisは性能重視、Mali-Gは電力効率/消費電力重視で、すみ分ける。今回、既存のMali-G710の改良版「Mali-G715」と、既存のMali-G610の改良版の「Mali-G615」が発表された。例えばMali-G715は、可変レートシェーディングが可能になった。

 この記事で紹介したCortex-X3やCortex-A715、(最適化済み)Cortex-A510、Immortalis-G715、Mali-G715、Mali-G615は、2022年版の「Arm Total Compute Solutions(以下、TCS)」に含まれる(図4)。TCSとは、特定の用途に向けてArmが整備するパッケージや開発環境である。Arm製の複数のIPコア(CPUコアやGPUコア、ニューラルネットワーク処理コアなど)からなるサブサーキット、ソフトウエア、各種サービスなどが含まれる。

図4 2022年版の「Arm Total Compute Solutions」のイメージ
図4 2022年版の「Arm Total Compute Solutions」のイメージ
(出所:Arm)
[画像のクリックで拡大表示]

 「従来は、CPUコアやGPUコアなど、コア単体の性能や電力効率が最適化するように開発を進めてきた。現在は、それらのコアを集積するSoCを搭載した機器(例えば、スマホ)の性能や電力が最適化するように、各コアを開発するようにしている」(アーム)。Armは今回、民生向けハイエンドTCSのロードマップを示した(図5)。このロードマップによれば、23年版TCSには、23年版のCortex-X(図5ではCXC23)、23年版のImmortalis(図5では開発コード名のTitan)などが含まれる。

図5 民生向けハイエンドArm Total Compute Solution(TCS)のロードマップ
図5 民生向けハイエンドArm Total Compute Solution(TCS)のロードマップ
(出所:Arm)
[画像のクリックで拡大表示]