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 KDDI携帯電話の音声通話やデータ通信で2022年7月2日午前1時から発生している全国規模の通信障害が長期化している。障害発生から約1日経過した2022年7月3日午前8時段階でも完全回復していない。「au」「UQ mobile」「povo」の自社サービスのほか、KDDIの携帯電話回線を利用するトヨタ自動車やセコムなどのサービスにも影響が広がっている。国民生活を支える重要インフラとなった通信に障害が発生した場合、生活全般に甚大な影響を及ぼすことを改めて浮き彫りにした。

 障害が発生した2022年7月2日午前1時35分以降、KDDIが提供する「au」「UQ mobile」「povo」の通信サービスがつながりにくくなっている。アンテナピクトが立たないほか、当該する携帯電話番号に発信した場合も、通信できないケースが多い。

東京都内のauショップでは店頭に通信障害発生の告知を貼り出し、スタッフが対応に追われていた
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東京都内のauショップでは店頭に通信障害発生の告知を貼り出し、スタッフが対応に追われていた
(写真:日経クロステック)

 同日午後の都内の「auショップ」では、利用者がショップスタッフに「いつ障害から回復するのか?」と駆け寄る場面が見られた。スタッフは通信障害が発生していることを示す「緊急告知」を店頭に掲出するなど、対応に追われていた。

 KDDIの携帯電話回線を利用する、他社サービスにも影響が広がっている。

 トヨタ自動車は2022年7月2日、同社のつながるクルマ向けサービス「T-Connect」などが、KDDI回線の障害の影響で利用できない事象が発生していると発表した。セコムも同日、同社のセキュリティーサービスの一部で障害が発生していることを明らかにした。同社は一部のサービスでKDDI回線を利用している。

 物流や交通サービスにも影響が出ている。ヤマトホールディングスも同日、KDDIの通信障害の影響で、「荷物問い合わせシステムの最新情報が更新されない。セールスドライバーから連絡ができない」事象が発生していることを明らかにした。小田急バスも同日、バスの位置を示すシステムや業務無線に障害が出ていると発表した。同社もこれらのシステムでKDDI回線を利用しているという。