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 日野自動車は2022年8月2日、少なくとも2003年以前から、エンジンにおける排ガス・燃費性能の認証申請で不正があったと発表した(図1)。不正の対象車種が増えたことで、出荷停止やリコール(回収・無償修理)の対象も拡大する見通し。2016年には国土交通省に対し、排ガスや燃費の試験における不正の有無について虚偽の報告をしていたことも判明した。

図1 日野自社長の小木曽聡氏
図1 日野自社長の小木曽聡氏
顧客をはじめとするステークホルダーに対して、謝罪を繰り返した。(写真:日経クロステック)
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 日野自はこれまで、不正が始まったのは2016年からとしていたが、約20年にわたって不正を繰り返してきたことが今回明らかになった。

 外部有識者で構成する特別調査委員会の調べで、大きく4つの不正が判明した。(1)トラックやバス向けのディーゼルエンジンにおける劣化耐久試験での不正、(2)トラックやバス向けの大型ディーゼルエンジンにおける燃費測定での不正、(3)産業用ディーゼルエンジンにおける劣化耐久試験での不正、(4)排ガス・燃費試験についての国交省への虚偽報告――である。

 (1)、(2)の不正対象となるトラックとバスは、合計で約56万7000台に上る(表1)。従来の約12万台から大幅に拡大した。

 国交省の指示で、同日新たに6車種のトラックとバスの出荷を停止した。2021年度におけるトラックとバスの国内販売台数を基にすると、出荷停止の規模は、2022年3月の出荷停止分も合わせて、同販売台数の5割を超える。当面出荷できるエンジン車は、小型トラック「デュトロ」のみとなる。

 (1)の不正を受け、今回新たに排ガス規制値を超過する可能性が判明したエンジンを搭載する、大型トラック「プロフィア」と大型観光バス「セレガ」の合計約2万900台については、リコールを届け出る見通しだ。

表1 トラックやバス向けのディーゼルエンジンにおける機種別の判明事項
表1 トラックやバス向けのディーゼルエンジンにおける機種別の判明事項
平成28年排出ガス規制の「A05C(尿素SCR)」と、平成21年排出ガス規制の「J05E」の搭載車種については、国内法規認証に基づきオーストラリアとニュージーランドでも販売しており、これらも出荷を停止した。(出所:日野自)
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