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 ダイハツ工業が2022年7月に発売した軽自動車の新型「ムーヴ キャンバス」は、ターゲットとするユーザー層を先代車から拡大した(図1)。上質さを訴求する新デザインや過給エンジン車を新たに追加。従来の主要ユーザーだった若年女性に加え、大人世代や男性ユーザーの開拓を狙う(図2)。

図1 新型「ムーヴ キャンバス」の「ストライプス」グレード
図1 新型「ムーヴ キャンバス」の「ストライプス」グレード
先代車のデザインを引き継ぐ(写真:日経クロステック)
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図2 新デザインを取り入れた「セオリー」グレード
図2 新デザインを取り入れた「セオリー」グレード
大人世代や男性に向けて、上質さを訴求する(写真:日経クロステック)
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 先代車はユーザーの約9割が女性で、特に若年層の割合がユーザー全体の35%と高かった。ただ「若年女性以外の顧客も周辺には存在していた」(ダイハツくるま開発本部製品企画部の小村明紀氏)という。具体的には、家庭内で共有して使われる場合に、先代車で当初狙っていた「母と娘」による共有だけでなく、「父と娘」「母と息子」で共有するケースもあった。

 これを受け、新型車では大人世代や男性もターゲットに加えた。先代車は外観のデザインが2トーンカラーだったこともあり、こうしたユーザー層から「デザインが若々し過ぎる」「自分が乗るには抵抗がある」との声があがっていたという。新たに、簡素な外観で上質さを訴求する「セオリー」というグレードを追加したのは、こうした理由からだ。

 加えて、新型車では過給エンジンを搭載するグレードを用意し、加速力を向上させた(図3)。先代車では、山間部に住む顧客などから、過給エンジン車が設定されていないことが敬遠理由として挙がっていたという。

 過給エンジンには、ダイハツの車両設計・開発手法「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」に基づいて開発したCVT(無段変速機)「D-CVT」を組み合わせた。

図3 過給エンジンを搭載する「G」グレードのエンジンルーム
図3 過給エンジンを搭載する「G」グレードのエンジンルーム
(写真:日経クロステック)
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