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 東芝は2022年8月10日、2022年4〜6月期の連結決算(米国会計基準)を発表した。売上高は前年同期比128億円増となる7407億円で、営業損益は同193億円減となる48億円の赤字だった。

 業績に半導体不足をしのぐ大打撃を与えたのが、素材・輸送費の高騰による影響だ。実質的な値上げで対応を図るものの、2022年度通期はこの施策だけでは「吸収しきれない」と同社 代表執行役専務 CFO(最高財務責任者)の平田政善氏は語った(図1)。

図1 会見に登壇した東芝 代表執行役専務 CFO(最高財務責任者)の平田政善氏
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図1 会見に登壇した東芝 代表執行役専務 CFO(最高財務責任者)の平田政善氏
(写真:東芝)

 東芝の第1四半期における営業損益は、新型コロナウイルスや円安などによる素材・輸送費の高騰の影響が前年同期比マイナス94億円と響いた。半導体不足の影響とする同マイナス30億円の3倍近い額だ(図2)。

図2 営業利益は素材・輸送費高騰が響いた
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図2 営業利益は素材・輸送費高騰が響いた
(出所:東芝)

 値上げによる効果はプラス48億円であり、損失を埋めきれなかった。「素材・輸送費の高騰が長引いているのは事実。2021年末ごろから値上げで対応しているが、顧客との関係もあり、まだ全部をカバーできるほど実現できていない」と平田氏は述べた。

 東芝は「素材費の高騰については少なくとも2022年度中続く」(同氏)と見ている。2022年度通期では、素材・輸送費の高騰によって410億円の損失を見込む。値上げの効果は通期でも325億円のプラスにとどまるため、年度内は素材・輸送費の高騰による損失を吸収しきれない見通しだ。

 それでも2022年度通期の営業利益の業績予想は1700億円のまま据え置いた。研究開発費や減価償却費にかかる費用が450億円と大きいが、円安による効果などで業績予想を達成したい考えだ(図3)。

図3 年度でも売価アップでは「吸収しきれず」、それでも通期の営業利益予想は据え置いた
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図3 年度でも売価アップでは「吸収しきれず」、それでも通期の営業利益予想は据え置いた
(出所:東芝)