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 運輸安全委員会は2022年8月25日、2020年末に那覇発羽田行き日本航空904便のボーイング777型機で、左側エンジンのファンブレードが破断した事故について調査報告書を公表した。ファンブレード製造時に中空構造の内部表面に溶着した粒状の金属塊が起点となって亀裂が発生し、その後の定期検査でも発見されることなく運行が続いたため、疲労破壊を起こしたとみられる。

事故を起こしたボーイング777型機
事故を起こしたボーイング777型機
(写真:運輸安全委員会)
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 事故機は2020年12月4日に那覇空港から離陸上昇飛行中に、左側エンジンのファンブレードが破断した。この破断によって、エンジンが破損して部品などが脱落するとともに、飛散した部品で機体が損傷した。負傷者はいなかった。同機のエンジンは米Pratt and Whitney(プラット・アンド・ホイットニー、以下P&W)製。

 疲労破壊を起こしたファンブレードの疲労破壊の起点部には「ノジュール」と呼ぶ、母材に付着した小さな粒状の金属塊があった。成分分析からノジュールはファンブレードの材料と推定された。製造時の機械加工の工程で、冷却が不十分な状態で研磨作業を行ったため、溶融金属が火花状態で飛散して高温のままブレードに衝突し、溶着したとみられる。

ファンブレードが破断した左側エンジン
ファンブレードが破断した左側エンジン
22枚あるうちの1枚(写真の16番)は根元部から、1枚(写真の15番)は中間部から破断した。(写真:運輸安全委員会)
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