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ソニーは、レーザーを照射して細胞を解析・分取する「フローサイトメーター」でライフサイエンス事業の拡大を図る(出所:ソニー)
ソニーは、レーザーを照射して細胞を解析・分取する「フローサイトメーター」でライフサイエンス事業の拡大を図る(出所:ソニー)
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 ソニーグループ(ソニーG)の事業会社であるソニーが、ライフサイエンス事業を拡大している。Blu-ray Disc(ブルーレイディスク)など家電で培った技術を応用することで装置の性能や利便性を高め、後発ながらユーザーを着実に増やしてきた。製品ラインアップをさらに拡充し、同事業の売上高について2020~2024年度の年平均成長率25%を目指す。

ソニーのライフサイエンス事業の戦略(出所:日経クロステック)
ソニーのライフサイエンス事業の戦略(出所:日経クロステック)
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 ソニーが手掛けるのは、医療や生物といった分野の研究に使われる「フローサイトメーター」という装置だ。血液などの試料中の細胞にレーザーを照射することで個々の細胞を高精度に検出・選別するもので、細胞の解析に特化した「セルアナライザー」と、解析の他に分取(特定の細胞の分離・精製)もできる「セルソーター」がある。

 一般的なフローサイトメーターでは試料の調製や光学系の設定などの準備に高い専門性と技能が必要で、数時間はかかる。ソニーはこうした作業を自動化し、専門人材ではなくても簡単に操作できるようにするとともに、準備にかかる時間も30分以下に短縮した。さらに、一般的な製品ではメーカーのスタッフが実施していたメンテナンス作業も、ソニーは自動化によって不要にした。

 こうした使いやすさが評判を呼び、これまでに世界の1000以上の研究機関がソニーのフローサイトメーターを採用した。例えば、米Vanderbilt University(ヴァンダービルト大学)は、新型コロナウイルスに結合する抗体を産出する細胞を分取する実験のために利用している。ソニー メディカルビジネスグループ グループ長の小河克徳氏は「使い勝手の良さが研究機関に評価された」と語る。