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 米Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ、以下TI)の車載半導体事業について、Sameer Wasson氏(vice president, Business Unit Manager for the Processors business)に話を聞いた(図1)。同事業はTI全社の中で最も成長率が高いという。同氏は車載半導体の開発指針や製造戦略について語った。

図1 Sameer Wasson氏
図1 Sameer Wasson氏
日本テキサス・インスツルメンツで撮影(写真:日経クロステック)
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 Wasson氏によれば、現在、全社売上高に占める車載事業の比率は21%である。41%の産業事業、24%のパーソナルエレクロニクス事業に続き第3位。しかし、売り上げの伸び率は最も高いという。TIの車載半導体の強さを同氏は3つ挙げた(図2)。第1は製品ポートフォリオが広いこと。7000種以上の製品をそろえる。第2は歴史が長いこと。車載半導体は40年以上前から手掛けている。2014年以降は毎年500種以上の新製品を投入している。第3はクルマをシステムレベルで熟知していること。150以上の車載アプリケーションや350以上のテスト済みのレファレンス設計を用意している。

図2 TIの車載事業の強み
図2 TIの車載事業の強み
(出所:Texas Instruments)
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 製品開発に当たっては、クルマの主な3つのトレンドに沿うことを心掛けているという(図3)。第1はコネクテッドカーが主流になること。Wasson氏が紹介した米Strategy Analytics(ストラテジー アナリティクス)の予測によれば、2027年には新車の72%がコネクテッドカーになるという。これによってクルマは販売後にも機能追加などのアップグレードが可能になる。また、今後のクルマではゾーンアーキテクチャーを採ることによってECU(Electronic Control Unit)の数が減るため、アップグレードが容易になるとの見込みを同氏は示した。

図3 クルマの3つのトレンドに沿って車載半導体を開発
図3 クルマの3つのトレンドに沿って車載半導体を開発
(出所:Texas Instruments)
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 第2のトレンドは自動運転/ADAS(先進運転支援システム)技術の普及である。Strategy Analyticsの予測では、2027年にはADASシステムの市場規模は560億米ドル(約8兆1000億円)になるという。同氏によれば、いわゆるロボットタクシーのような完全自動運転車が主流になるのには時間がかかるが、ADAS機能によって高齢の人でも安全な運転が可能になり、ドライバーとしての寿命が延びる。そこで、TIは自動運転/ADAS向けにセンシングやデータ処理、通信用の半導体製品などを提供している(図4)。

図4 自動運転/ADASに向けたTI製品の例
図4 自動運転/ADASに向けたTI製品の例
(出所:Texas Instruments)
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 第3のトレンドは電動化(ハイブリッドを含む)である。Strategy Analyticsの予測によれば、2027年には新車の40%が電動車(EV)やハイブリッド車になる。電動化に関してTIはさまざまな半導体製品を提供しているという(図5)。いずれも電力効率が高いため、充電間隔の延長に寄与するとのことだった。

図5 電動化に向けたTI製品の例
図5 電動化に向けたTI製品の例
(出所:Texas Instruments)
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