エイブリックとぷらっとホーム、パトライトの3社は、クラウド環境に接続せずに使用できる漏水検知システム(図1)を開発した ニュースリリース 。新製品は、エイブリックのバッテリーレス漏水センサーに、ぷらっとホームのIoTゲートウエー装置と、パトライトの積層表示灯もしくは接点入力用コンバーター装置などを組み合わせたもの。水漏れや雨漏りが発生すると、この水でバッテリーレス漏水センサーが駆動し、BLE(Bluetooth Low Energy)準拠の無線信号を出力する。これをIoTゲートウエー装置が受信して、積層表示灯を動作させたり、接点入力用コンバーター装置を介して警報盤に信号を送ったりすることで、光や音などでユーザーに知らせることができる。応用先は、高層ビルやオフィスビル、工場、マンション、住宅、無人通信施設などである。
バッテリーレス漏水センサーは、BLE準拠の無線タグとセンサーリボンから構成されている(図2)。センサーリボンは、設置する場所に合わせて長さが5m、2m、0.5mのものの中から選べる。センサーリボンを数珠つなぎで接続すれば最大で15mまで延ばせる。センサーリボンに水が付着すると発電する。完全に水没した状態であれば約10秒に1回の頻度でBLE信号を飛ばせる。3滴程度の水であれば2〜3分後にBLE信号を出力できる。このように水で発電するため、電池交換などを気にせず、センサーは後付けで、どこにでも設置できる。
これまでエイブリックとぷらっとホームの2社は、バッテリーレス漏水センサーとIoTゲートウエー装置を組み合わせて、水漏れや雨漏りを検出した結果をクラウド環境経由でユーザーに対して電子メールやパソコン画面上の表示で知らせる漏水検知システムを製品化していた。しかしエイブリックによると、「一部のユーザーから、クラウド環境に接続しないシステムを製品化してほしいという要望があった。クラウド環境に接続するとセキュリティーに対する不安を払拭できないという問題があるうえに、ユーザーは常にパソコン画面を監視しているわけではないので電子メールや画面表示による通知だと見落としてしまう危険性があるからだ。このため光や音などによる通知を望んでいた」という。そこで今回はパトライトと協業し、積層表示灯や接点入力用コンバーター装置と組み合わせた製品を用意した。