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 「EUV(極端紫外線)露光装置は2024年末に導入できる見込みだ」――。記者陣の人だかりに囲まれながら、半導体新企業Rapidus(ラピダス、東京・千代田)代表取締役社長に就いた小池淳義氏はこう明かした。EUV露光装置の導入は日本としては初となる。日本で2nm世代プロセス半導体を「世界一短いサイクルタイムで」(同氏)製造するためのピースがそろおうとしている(図1)。

図1 会見に登壇したRapidus(ラピダス)代表取締役社長の小池淳義氏
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図1 会見に登壇したRapidus(ラピダス)代表取締役社長の小池淳義氏
(写真:日経クロステック)

 ラピダスは、最先端の2nm世代プロセス半導体の国産化を使命として設立されたファウンドリー企業注1)。2020年代後半の量産化を目指し、半導体設計からウエハー工程、3Dパッケージング(実装)までを手がける計画だ。「世界一のサイクルタイム短縮サービスを開発し提供する」(同社)と意気込む(図2)。

注1)大学・大学院などと提携し、半導体人材の育成にも取り組む。

図2 ラピダスの会社概要
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図2 ラピダスの会社概要
(出所:ラピダス)

 同社は元東京エレクトロン 代表取締役会長兼社長を務めた東哲郎氏や元ウエスタンデジタルジャパン プレジデントの小池淳義氏に加え、創業個人株主12名から成る「半導体の専門家集団」(同社)が設立した。トヨタ自動車やソニーグループ(ソニーG)、NTTなどが総額約73億円を出資し、政府が700億円の開発費を拠出する(図3)。

図3 東哲郎氏や小池氏のほか、12名の株主が設立に関わる
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図3 東哲郎氏や小池氏のほか、12名の株主が設立に関わる
(出所:ラピダス)

 設立の目的は、日本の半導体事業の復権にある。2022年度に米IBMとの連携で2nm世代の要素技術を獲得し、EUV露光装置の導入に着手する。同装置は、納期の関係から2024年末に日本へ輸入する計画だ。量産化までにかかるコストは膨大で、「パイロットラインに2兆円、量産製造ラインに3兆円。計5兆円はかかるだろう」(小池氏)と見込む。なお、「最初の5年は開発に専念し、次の5年で事業化に転換していく」(東氏)という。