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 「スマートフォン(スマホ)の次のXR(eXtended Reality)デバイスなどを見据えると、特定の高速チップをつくってくれるベンダーが国内にあったほうがありがたい。それが我々がRapidus(ラピダス)に出資した理由だ」――。

 NTT社長の島田明氏は2022年11月14日に実施した記者会見で、次世代半導体の国産化を目指す新会社「ラピダス」に出資した理由をこのように語った。

ラピダスに出資した理由について語ったNTTの島田社長
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ラピダスに出資した理由について語ったNTTの島田社長
(写真:日経クロステック)

 NTTはラピダスに対し、ソニーグループやトヨタ自動車などと同様に10億円を出資した。ラピダスの資本金(資本準備金を含む)は73億4600万円だ。

 島田氏は「ラピダスに出資することによる最大のリターンは、我々がこれから考えるデバイスに適用できるチップを製造してもらえる点だ」と続ける。

 かつて日本には多くの携帯電話機のメーカーがあった。だが現在、多くの携帯電話機メーカーが市場から姿を消した。島田氏は「半導体の発注量が理由だったと思う」と語る。

 米Apple(アップル)や韓国Samsung Electronics(サムスン電子)のようなスマホのグローバルメーカーの場合、端末の販売量が桁違いに多い。そのためグローバルメーカーは大量の半導体を半導体製造メーカーに発注し、半導体製造量をコミットしてもらえる。

 だがかつての国内の携帯電話機メーカーのように、国内市場にしか売れない端末の製造となると、グローバルメーカーほどの半導体の発注ができない。「ある程度の量をさばけないとなると、半導体製造メーカーから製造のコミットメントを得られなくなる」(島田氏)

 NTTグループが開発を目指すスマホの次のXRデバイスは、当初は生産量も少ないだろう。このような少量多品種なデバイスに対して、ラピダスは半導体製造をコミットしてくれるという期待がある。島田氏は「少量多品種なデバイスに対応した半導体を製造してくれるメーカーが国内にできることは非常に大きい」と期待を示した。