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 米Advanced Micro Devices(AMD)は、5nm世代の半導体プロセスで造る初めてのサーバー向けMPU(マイクロプロセッサー)「第4世代AMD EPYCプロセッサー(AMD EPYC 9004シリーズ)」(以下、第4世代EPYC)の出荷を始めた 日本語版ニュースリリース 。同社が2022年11月10日(現地時間)に開催のプライベートイベント「together we advance_data centers」において、Chair and CEOのLisa Su氏がこの新しいMPUを披露した(図1)。

図1 第4世代EPYCを掲げるLisa Su氏
図1 第4世代EPYCを掲げるLisa Su氏
(画像:AMD)
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 同イベントには、第4世代EPYCのユーザーとしてクラウドサービス企業やサーバーメーカーなどが登壇した。クラウドサービス企業は3社で、登場順に米Microsoft(マイクロソフト:MS)、米Oracle(オラクル)、米Google(グーグル)である(このうちMSとGoogleはビデオで登場、Oracleは現地のステージに上がった)。MSは新たな仮想マシン(virtual machine)の「Azure HXシリーズ」と「Azure HBv4シリーズ」で第4世代EPYCを活用することを発表した 公式ブログ 。Oracleは新製品を「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)E5」コンピュートインスタンスに(図2)、Googleは「Google Cloud Compute Engine」にそれぞれ第4世代EPYCを組み込むことを明らかにしている。また、サーバーメーカーは米Hewlett Packard Enterprise(HPE)、米Dell Technologies(デルテクノロジーズ)、中国Lenovo、米Super Micro Computer(スーパーマイクロ)が登場し(登場順)、第4世代EPYCベース製品の開発を発表した。

図2 クラウドサービスで第4世代EPYCを利用するOracleがイベント会場に
図2 クラウドサービスで第4世代EPYCを利用するOracleがイベント会場に
壇上の左がOracleのExecutive Vice President, Oracle Cloud InfrastructureのClay Magouyrk氏(画像:AMD)
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 AMDによれば、第4世代EPYCは、クラウドやエンタープライズ、HPC(High Performance Computing)、AI(人工知能)/機械学習、仮想化、データベース処理などに向くという。CPUコア数や動作周波数などが異なる18モデルから成る(図3)。18モデルのうち、2ソケットと1ソケット両対応の通常版が10モデル(製品番号の後ろに何も付かないモデル)、動作周波数と消費電力が高い高速版が4モデル(製品番号の後ろにFが付くモデル)、1ソケット専用版が4モデル(製品番号の後ろにPが付くモデル)である。1000個購入時のチップ単価は1万1805~1083米ドル(約167万~約15万3000円:1米ドル=141.27円で換算)。第3世代EPYCの1000個購入時のチップ単価は、64コア通常版モデルの7890米ドルが最高だった。第4世代HPYCの同等モデルは9087米ドルなので、少し高価になった。今回の最高価格の1万1805米ドルは96コア通常版モデルであり、世代が新しくなったことよりコア数の増加が価格上昇につながったようだ。

図3 18モデルの主な仕様
図3 18モデルの主な仕様
(画像:AMD)
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