NECは2022年11月16日~18日に幕張メッセで開催された映像・放送機器の総合イベント「Inter BEE 2022」(12月23日までオンライン開催中)で、従来よりも大幅に高い圧縮性能を持つ次世代コーデック「H.266/VVC(Versatile Video Coding)」(以下、VVC)規格に準拠した、4K映像のリアルタイムエンコーダーのデモを披露した。
開発したのは、汎用的なサーバー1台で動作するソフトウエアベースのリアルタイムエンコーダーである。4K映像を既存のコーデックである「H.265/HEVC」で圧縮した場合と比べ、同等の画質でビットレートを30~50%削減できる。Inter BEEの会場では、H.265/HEVCで圧縮したビットレートが25Mbpsの映像と、VVCで圧縮した同18Mbpsの映像を横並びで見せた(図1)。
VVCの標準化は2020年7月に完了している。現在、総務省などが技術策定中の次世代地上デジタル放送(次世代地デジ)への採用検討が進められているが、膨大なエンコードにおける処理量が実用化に向けた課題になっている。実際、処理量はHEVCの8倍以上といわれているが、NECは独自技術によって1台の汎用サーバーで動作する4K映像のリアルタイムVVCエンコーダーを実現した。