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 プロセス産業向けデータ管理ツールのAVEVA(東京・港)と、PLM(製品ライフサイクル管理)ツールのアラスジャパン(東京・千代田)は、AVEVAのツール開発にArasのPLMツール「Aras Innovator」を採用する際の具体的な方法について明らかにした。現時点でのロードマップでは2つのステップがあり、第1ステップでは、AVEVAのツール「AVEVA Connect」内に構築するプラント設備用デジタルツインに対して、構成管理機能をAras Innovatorにより実装する。第2ステップでは、AVEVA Connectの構成管理機能と変更管理機能を全体的に強化するという。

 両社は、それぞれ英AVEVAと米Arasの日本法人。2022年11月29日にAVEVAが開催した説明会で言及した。

 AVEVA Connectには、デジタルツインの基本情報として「エンジニアリングインフォメーション」と「オペレーションインフォメーション」の2つを管理する仕組みがあり、両者をまとめて「インダストリーインフォメーション」と呼ぶ()。エンジニアリングインフォメーションは設備の設計データなどを、オペレーションインフォメーションは稼働時の実測データなどを指す。このインダストリーインフォメーションをベースに業務支援や情報分析などのアプリケーションを実現するのがAVEVA Connectの基本的なソフトウエアアーキテクチャーになっている。

 アプリケーションには「シミュレーション&ラーニング(設計と運用のシミュレーション機能)」「エンジニアリング&エグゼキューション(設計開発と建設の支援)」「オペレーションコントロール」「アセットパフォーマンス(予知保全や保全の最適化)」「プロダクトオプティマイゼーション(生産性と品質確保)」「プランニング&スケジューリング」などがある。

図 AVEVA Connectのソフトウエアアーキテクチャー
図 AVEVA Connectのソフトウエアアーキテクチャー
Aras Innovatorの採用により、中間のアプリケーション層に構成管理機能と変更管理機能を加えやすくなるとみられる。(出所:AVEVAの資料を基に日経クロステックが一部編集)
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