全1219文字
PR

 日本郵便と日本郵政キャピタル、ドローン機体の開発を手掛けるACSL(東京・江戸川)は2022年12月6日、日本郵便による配送に向けた物流専用ドローンの新機体を発表した。2022年12月5日に航空法の一部改正によって解禁された「レベル4飛行」(有人地帯(第三者上空)における補助者なし目視外飛行)での運用を前提として高い信頼性を実現する。日本郵便がこれまで実証実験で活用してきたACSLの従来の物流ドローンと比較して、約3倍のペイロード(荷物の重さ)、約3.5倍の最大飛行距離を実現した点も大きな特徴だ。

 ACSL社長の鷲谷聡之氏は「2023年度内にレベル4飛行の実現を目指す」としている。なお、3社は2021年6月に資本・業務提携を締結し、郵便・物流領域での連携を進めている。

 新機体は従来の「ACSL-PF2」(日本郵便向け仕様)と比較して大型で、流線形かつ赤いきょう体デザインが印象的だ(図1)。サイズと最大離陸重量はPF-2がそれぞれ1.173m×1.067m×0.654m、9.8kgであるのに対して、新機体は約1.5m×1.7m×0.5m、24.9kgとなっている。

図1 ACSLが日本郵便向けに開発した新機体
図1 ACSLが日本郵便向けに開発した新機体
カーデザイナーのTakumi YAMAMOTO氏がデザインした。機体は従来のACSL-PF2と比較して大型。レベル4飛行の運用を前提に、システムの冗長化設計などを導入したという(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 ペイロードはPF-2が1.7kgだったのに対し、新機体は5kg。最大飛行距離は10kmに対して35kmとかなり長くなっている。「通常、ドローンが大型になるとペイロードを大きくできるが、その分、(バッテリー容量が同じだと)飛行距離は短くなってしまう。そこで、空力のシミュレーションや風洞実験などを実施して空力を最適化した機体を開発した」(鷲谷氏)

 最大飛行距離が従来よりも大幅に延びたため、「これまで実験してきたのは郵便局から各家庭に配達して戻るオペレーションだが、新機体なら郵便局間の輸送に使える可能性がある。利用の幅が広がる」と日本郵便オペレーション改革部部長の西嶋優氏は評価する。

 「基本は郵便局からドローンを飛ばすことになるが、周囲には建物がある。ドローン配送を実用化するうえでレベル4対応は必須」(同氏)としている。