全877文字
PR

 パナソニック ホールディングス マニュファクチャリングイノベーション本部は2022年12月6日、セルロースファイバーを生分解性プラスチックに組み合わせた生分解性の成形材料を開発したと発表した。植物由来のポリ乳酸(PLA)など複数の生分解性プラスチックを混ぜ、添加剤を加えた上で高濃度のセルロースファイバーを加え、生分解性に加えて良好な機械特性を得た。開発材料を用いて成形した薄肉のタンブラーと、やや肉厚の皿を「エコプロ(第24回)」(2022年12月7~9日、東京ビッグサイト)で展示した(図1)。

図1 生分解性セルロースファイバー成形材料によるサンプル
[画像のクリックで拡大表示]
図1 生分解性セルロースファイバー成形材料によるサンプル
[画像のクリックで拡大表示]
図1 生分解性セルロースファイバー成形材料によるサンプル
タンブラー(左)と皿(右)。タンブラーの成形に使った金型は、既存のセルロースファイバー成形材料のサンプル成形で使ったものと同じ。(写真:日経クロステック)

 同本部は、セルロースファイバーをプラスチックに高濃度で混ぜ込む技術を開発しており、2019年にセルロースファイバーをポリプロピレン(PP)に55質量%混ぜた材料、2021年にはセルロースファイバー濃度を70質量%に高めたものを発表した。2022年3月には、プラスチックとして植物由来のポリエチレン(PE)を使用したバイオマス度90%以上の成形材料を開発。さらに、生分解性プラスチックを利用して、もともと木質で生分解性があるセルロースファイバーとともに、完全に生分解する材料の開発を進めていた。

 PLAは溶融時の流動性が低く成形が難しいため、同本部はPLAを含む複数の生分解性プラスチックを使用した。これにより、厚さ1mm程度の薄肉部品を成形可能で、高弾性率を持つ成形材料を開発した。弾性率の経時変化は単体のPLAよりも小さい(図2)。生分解性は単体のPLAよりも高く、セルロースファイバーの生分解性の高さが寄与しているとみられる。

図2 開発した生分解性セルロースファイバー成形材料の機械的特性
図2 開発した生分解性セルロースファイバー成形材料の機械的特性
剛性の目安の1つである曲げ弾性率が高く、経時変化が少ない。生分解性は単体のPLAより高い。(出所:パナソニック)
[画像のクリックで拡大表示]