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 ルネサス エレクトロニクスは、かねてマイクロプロセッサー(MPU)のAI(人工知能)推論処理を1000倍速く実行可能にすると宣言してきた。10倍や100倍にしたMPUはすでに製品となっている*1、*2。いよいよ2023年には1000倍のMPUが登場する。そのための技術を開発したとの発表を、同社と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が共同で2022年12月8日に行った ルネサス ニュースリリース NEDOニュースリリース

 MPUのCPUコアで動作するソフトウエアに比べて10倍速く推論できるMPUは、ルネサスの「DRP(Dynamically Reconfigurable Processor)」と呼ぶアクセラレーターハードウエアで実現した。100倍速いMPUはDRPの強化版である「DRP-AI」を集積することで実現した。今回、DRP-AIを改良し10倍処理速度を高めた。これでCPUコアで動作するソフトウエアに比べて1000倍速い推論処理の実行が可能になった。

 今回推論処理が10倍速くなったのは、一般に「枝刈り」と呼ばれる処理をうまく扱えるように、DRP-AIを改良したためである(図1)。枝刈りとは、演算精度の低下に影響のない演算を省くことで、処理性能を上げる技術をいう。ルネサスによれば、改良したDRP-AIで枝刈りをしながら推論処理を進めれば、枝刈りなしの従来処理とほぼ同じ演算精度を維持しながら演算量を最大90%削減できたことを確認したという(図2)。電力効率は10倍に向上し、10TOPS/Wを達成できるとする。

図1 枝刈り処理を手際よく実施できるようにDRI-AIを改良
図1 枝刈り処理を手際よく実施できるようにDRI-AIを改良
(画像:ルネサスとNEDO)
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図2 精度がほぼ同じで演算量を最大90%削減
図2 精度がほぼ同じで演算量を最大90%削減
(画像:ルネサスとNEDO)
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