アズビルは、同社の中核的な研究開発拠点「藤沢テクノセンター」(神奈川県藤沢市)内に新設した2棟の実験棟「第103建物」と「第104建物」の施設内を報道陣に一部公開した(図1)。第103建物では主にクラウドや人工知能(AI)を活用したシステムソリューションおよび計測制御機器の開発を、第104建物では主力製品の計測制御機器に搭載するMEMS(微小電子機械システム)センサーの開発や生産を強化するための施設をそれぞれ備えている。いずれも2022年5月に竣工した。投資額は2棟でおよそ70億円強。
第104建物は3階建てで、総床面積は約4200m2。同社グループが製造した製品の品質検査などに使う計測器の校正を実施する計測標準施設(校正室)や、MEMSセンサーを開発・生産するクリーンルームを設置した(図2)。クリーンルームは藤沢テクノセンター「第3建物」内にある既存設備に加えて、同センターとしては2施設目。MEMSセンサーの研究・開発の加速と生産量の拡大を狙っている。
新たなクリーンルームでは、同社の空調技術を活用してMEMSセンサーの開発・生産に最適な空間を実現したという。具体的には、MEMSセンサーの生産などを行う「プロセスエリア」において、仕切り壁を使わずに気流の流れだけでエリア内を空気の清浄度の異なる2つの空間に分け、作業内容に応じた清浄度の区画を確保している。