ロボットのエンドエフェクターなどを手掛けるデンマークOnRobot(オンロボット)は2023年1月20日、産業用ロボットや協働ロボットの動作を簡便かつ短時間で指示できる新たなプラットフォーム「D:PLOY(ディプロイ)」を発表した(図1)。プログラミングなどの専門的なスキルを必要とせず、複数の異なるメーカーのロボットの動作を同一のユーザーインターフェース(UI)で設定できる。
D:PLOYは、クラウド型のアプリケーションと、ロボットやセンサーなどの周辺機器を接続するモジュール「OR:BASE」から成る。ロボットのティーチング手順は以下。まず、OR:BASEにロボットや周辺機器を有線で接続する。するとロボットのメーカーや型式、エンドエフェクターの種類などを自動認識する〔図2(a)〕。
次いで、あらかじめ用意されたロボットや周辺機器の3Dデータを使って、アプリ内の仮想空間に作業スペースを構築する〔同(b)〕。その後、ワークの形状や重さなどの情報を入力するとともに、ロボットの初期位置やピッキング位置をアプリ上で設定すれば、自動化プロセスの構築(デプロイ)が完了する〔同(c)〕。上記で構築した仮想空間やワークの情報から、他のロボットや周辺機器と干渉せずに最も効率の良いロボットアームの軌道を自動で計算してくれる。
同社によると、商品をパレットに積載する作業(パレタイジング)のデプロイに、従来は40時間ほどかかっていたが、新たなプラットフォームを使うことで4時間程度に短縮できるという。同社最高経営責任者(CEO)のエンリコ・クログ・アイベルセン氏は「(D:PLOYは)自動化を真の意味で民主化するプラットフォームになる」と自信をのぞかせた(図3)。