「足元の(販売)台数を大きく減らした」。前回の会見から3カ月、発言のトーンが少し変わったのが、日本電産の常務執行役員で車載事業を担当する早舩一弥氏である。統括する電動アクスル(eアクスル)事業の「方針を変える」(同氏)という。
日本電産は2023年1月24日、2022年度期第3四半期(2022年10~12月)の決算説明会を開催した。早舩氏は2022年10月開催だった前回、決算説明会に初登壇。モーターやインバーター、減速機などを一体化した電動アクスル事業の好調ぶりをアピールしていた。
今回の方針転換によって、「収益重視のモデルミックスに切り替えた」(同氏)という。これにより、「販売台数が減る場合もあるが、何としても収益を改善させていく」(同氏)考えだ。2022年度の電動アクスルの販売台数は41万9000台の見込み。前回の説明会では「55万台の予定」(同氏)と述べていた。
第2世代品の量産に遅れ
収益を改善する上で鍵を握るのが、電動アクスルの第2世代品である。第1世代品からコストを35%低減したもので、前回の決算説明会では2022年9月に生産を開始したと語っていた。
だが、想定通りには生産量を増やせなかったようだ。早舩氏は「コストダウンのために新技術を多く盛り込んだ。このため、信頼性の確認試験に時間がかかっており、大量生産するのが遅れている」と明かした。ハードウエアには変更はないとする。2023年2月からは計画通りの生産量になるという。