ルネサス エレクトロニクスは2023年1月25日、xEV(電動車)インバーター搭載のSiC(炭化ケイ素) MOSFETやSi(シリコン) IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を駆動するためのゲートドライバーIC新製品「RAJ2930004AGM」を発表し、同日にサンプル出荷を開始した。量産は2024年第1四半期を予定している。同社は「第15回カーエレクトロニクス技術展」(2023年1月25~27日、東京ビッグサイト)に同製品を出展した(図1)。
ゲートドライバーICは、インバーター制御マイコンの制御信号を受けてパワー半導体を駆動するための部品である。xEVバッテリーの高電圧化に合わせ、絶縁耐圧の向上が進められている。ルネサスは従来品「R2A25110KSP」の絶縁耐圧2.5kVrmsから今回3.75kVrmsに強化し、1200V耐圧のパワーデバイスに対応させた。ルネサスのSi IGBTパワーデバイス以外に、他社製のSi IGBTやSiCパワーデバイスと組み合わせて使うこともできる。
ちなみにルネサスは現在のところSiC製品を展開していないが、2022年11月、エレクトロニクス国際展示会「electronica 2022」(2022年11月15~18日、ドイツ・ミュンヘン)で、「近い将来、SiCパワー半導体への参入について正式に発表する予定で、その際はパワー半導体素子だけを提供するのではなく、ゲートドライバーICを含めてソリューションとして提供したい」と同社 執行役員 兼 オートモーティブソリューション事業本部副本部長のVivek Bhan氏が語っている。