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 日野自動車は2023年2月2日、2022年度通期(2022年4月~2023年3月)の連結決算(日本基準)において、最終損益が550億円の赤字になる見通しを発表した。エンジンの排ガス・燃費性能の認証不正問題に関連して、同年度通期で374億円の特別損失を計上する見込みだ。燃費不正による顧客への補償額は現在算定中のため含んでおらず、特損額はさらに膨らむ可能性がある。

 特損の内訳はリコール(回収・無償修理)関連の費用が41億円で、排ガス・燃費性能を改ざんして受けた税制優遇のため追加で納付する費用が141億円、仕入れ先(サプライヤー)や顧客などに対する補償が192億円である。

 燃費性能の改ざんで顧客に与えた損失に対しては「補償する方向で検討しているが、まだ金額の算定などができていない」〔日野自CFO(最高財務責任者)の中野 靖氏〕という(図1)。2022年度内には補償額を確定し、開示したい考えだ。

日野自CFOの中野 靖氏
日野自CFOの中野 靖氏
同社が2023年2月2日にオンラインで開催した2022年度第3四半期の決算説明会に出席した。(出所:日野自動車のオンライン決算説明会の動画を日経クロステックがキャプチャー)
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