アマダは2023年2月9日、山梨貴昭取締役専務執行役員が2023年4月1日から社長に就任すると発表した。8年間社長を務めてきた磯部任氏は代表権のある会長になり、技術畑出身の山梨氏を管理面で支えるという。山梨氏は発表の場で「顧客に技術力をもっと訴求して理解してもらい、ともに成長していけるようにしたい」などと語った。
同社は2023年2月3日に、新たな展示施設「Amada Global Innovation Center」(AGIC)を開設したばかり。「AGICによってアマダの提案の在り方、商品の在り方を大幅刷新する。新しい施設や仕組みに加えて経営トップも刷新し、アマダの変革を業界、顧客、社会にアピールしていきたいというのが社長交代の趣旨と目的」(磯部氏)。このAGICの推進責任者を務めたのが山梨氏だ。同氏は「AGIC開設に向けて全社員のベクトルを合わせられたのかなと思っている。この経験を基に、このまま全社員同じベクトルのもとに突き進んでいきたい」と述べた。
磯部氏によれば「今後機械メーカーとしてどういう方向に進むかを考えたとき、開発も製品も技術志向を強化する方がよい。新社長も入社以来技術畑を歩み、特にレーザーに造詣の深い山梨氏がふさわしいと思って推薦した」という。山梨氏は研究開発を担うドイツ現地法人の社長も務め、先進的なレーザー技術を持つドイツ・フラウンフォーファー研究所とも協力してきた経緯がある。「アマダの今日の板金事業の約4割、マシンの約6割がレーザーによるもの。この事業をつくってきたのが山梨氏だ」(磯部氏)。