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 卵の殻が食器に生まれ変わる――。漆器メーカーの福井クラフト(福井県鯖江市)が卵の殻をリサイクルした食器を外食産業向け展示会で披露した。生物由来の卵の殻を51%配合することで、熱硬化性樹脂のメラミン樹脂の食器と比べ、石油由来の成分を40%以上抑えた。「価格はプラスチック製の食器などと比べて2~3割高い」(同社)ながら、環境に配慮した取り組みを進めるホテルなどからの引き合いがある。

卵の殻を含んだ食器を福井の漆器メーカーが展示会で披露
卵の殻を含んだ食器を福井の漆器メーカーが展示会で披露
陶器のような質感で、ほどよい重さがある。小鉢や丼といったさまざまな形状の食器をラインアップした。(写真:日経クロステック)
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 卵の殻は国内で年間約25万トンが排出されており、一部は肥料や道路の白線の材料などに再利用されているものの、多くが廃棄されている。食器の原料として再利用することで、廃棄量を減らせるほか、製造時の二酸化炭素(CO2)排出量も40%前後削減できる。再利用可能な資源には他にも、米や麦といった植物由来のものもあるが、耐熱性や塗装の剥がれにくさといった点で卵の殻が向いていた。

成分の約半分が生物・植物由来の食器
成分の約半分が生物・植物由来の食器
生物由来の卵の殻は51%、補強材として植物由来のパルプを7%使用している。残り42%は石油由来のメラミン樹脂である。(写真:日経クロステック)
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