「半導体・電子材料に経営資源を集中投入する」と表明していたレゾナック・ホールディングス代表取締役社長 社長執行役員CEO(最高経営責任者)の髙橋秀仁氏。2022年12月期の決算説明会では、2023年第1四半期の業績予想で半導体・電子材料事業が赤字になる見込みであると明らかにしたが、それでも「投資に関してはブレーキを踏むつもりはない」と改めて強調した。
同社の2022年12月期の売上高は1兆3926億円(前期比270億円減)、同営業利益は594億円(前期比278億円減)と減収減益だった。同社取締役 常務執行役員CFO(最高財務責任者)の染宮秀樹氏は、減収減益となった理由について「減収は前期の事業譲渡、減益はケミカルや半導体・電子材料セグメントの減益が響いた」との見解を示した。最終損益は、前期に計上した蓄電デバイス・システム事業の譲渡に関わる事業構造改善費用の特別損失などがなく、308億円(前期比429億円増)の黒字だった。
半導体・電子材料セグメントの営業利益は442億円(前期比53億円減)、ケミカルセグメントの営業利益は249億円(前期比130億円減)だった。
電子材料用高純度ガスなど半導体の前工程材料は年間を通して堅調に推移した。しかし、エポキシ封止材などの後工程材料と、ハードディスクメディアなどのデバイスソリューションは「2022年後半から生産・在庫調整の影響を受けて第4四半期に急減速した」(CFOの染宮氏)。
2022年前半の旺盛な需要を背景に年間では増収を維持。2022年第4四半期にプリント配線板事業を譲渡した影響もあって前期比1%増収、11%の減益となった。